東洋はり医学会と共にあゆみ50年　伝統の新潟支部

東洋はり医学会新潟支部は、傷寒雑病論集序を大切に考えています

傷寒雑病論集序（意釈）
　秦越人が虢の国の太子を蘇生させたり、斉の国の恒公の顏色を見てその死期を言いあてたりした事績を見て、なんと才能の秀れたことよと、うらやましく思う。
　ところが不思議なことに近頃の知識人は、これほど立派な医術があるのに、これを研究しえて人に施さないばかりか、自分の養生に用いようともしない。ただ、地位やお金だけを求めて、権力にこびへつらい、名利のためにあくせくするだけである。たとえ名利を得たとしても、病気に罹って死んでしまったのでは何の役にも立たないではないか。
　急に重病に罹ったりすると、その時になってはじめて驚き、日頃馬鹿にしていた神だのみをしたり、医術を知らない医者に身をまかせたりする。そんなことで百年の寿命があるこの大切な身体を失ってしまうとしたら、なんとも悲しいことだ。死んでしまってからいくら歎き悲しんでもどうにもならないのに、世の人々はこぞって名利に惑わされているのだ。これでは栄勢を求めておりながら、逆に栄勢から遠ざかってしまう。まことに危なっかしいことで、薄氷の上を歩いているのに気がつかないのと同じである。
　私の一族はもともと多く、以前は二百人余りもいた。ところが建安の初年から十年ほどの間に三分の二も死んでしまった。そのうち七割までが傷寒のためであった。
　この昔の悲しみを思い、寿命をまっとうしないで死ぬ者をなんとか救ってやりたいと思った。そこで昔から伝わっている良方をできるだけ選び、素問・霊枢・難経・陰陽大論・胎臚薬録・平脈証弁などの古書を参考にして傷寒雑病論十六巻を作ったのである。これだけではまだあらゆる病気を癒すのには充分でないと思われるが、それでもこの書によれば病気の原因くらいは知れると思うし、さらによく研究してもらえば、なる程と感じることもあると思う。
　天池自然は風熱暑湿燥寒の五気をめぐらして万物を育生している。人は天池から仁義礼知信の五常を授かって、肝・心・脾・肺・腎の五臓を保有している。この内臓や経絡経穴には陰陽の気がめぐっているが、この動きは目に見えないからなかなか測り難いものだ。余程の才能があり、なおかつすぐれた学識をそなえた人でないと、この陰陽の気の動きを知ることはむつかしいだろう。
　大昔には神農、黄帝、岐伯、伯高、雷公、少兪、少師、仲分などと言う聖人がいた。中世（周の末期）にも長桑、扁鵲というような人がいた。前漢には公乗、陽慶、倉公という人達がいた。それ以後は、このようなすばらしい人達がいたと言う話は聞いていない。 　近頃の医者は素問等の古書の研究などしない。それぞれの家伝、秘伝の類を受けつぐだけである。病人に対した時でも、言葉たくみに金もうけだけを考え、身を入れて診察しようとしない。脉診や望診も雑なものである。これでは葦のズイから天をのぞくようなものだ。真剣に病人を診察し、その生死を判別するのは実に難しいものなのだ。
　孔子の語に、生まれながらにしてこれがわかる者を上となし、学問によってわかった者をその次とし、博識な者はそのまた次とする、と言うのがある。
　私は以前からこの方術導（漢方医学）を大切にしているが、この孔子の語を奉じ、座右の銘となし、学の道を進もうと思う。

漢の長沙の守 南陽、張機著

会場・日時
　『万代市民会館』新潟市中央区東万代町9-1　Tel 025-246-7711
　毎月第４日曜日　午前９時３０分～午後４時５０分（但し、４月・１２月は第３日曜日）

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更新情報・お知らせ

平成３１年度　新潟支部　年間予定

例会	日時	会場	備考
４月例会	４月２１日（日）　９時３０分	万代市民会館　２０７研修室	第３日曜日
５月例会	５月２６日（日）　９時３０分	万代市民会館　２０７研修室
６月例会	６月２３日（日）　９時３０分	万代市民会館　２０７研修室
７月例会	７月２８日（日）　９時３０分	万代市民会館　２０７研修室
８月例会			経絡大のため休み
９月例会	９月２２日（日）　９時３０分	万代市民会館　２０７研修室
１０月例会	１０月２７日（日）　９時３０分	万代市民会館　２０７研修室
１１月例会	１１月２４日（日）　９時３０分	万代市民会館　２０７研修室
１２月例会	１２月１５日（日）　９時３０分	万代市民会館　２０７研修室	第３日曜日
１月例会	１月２６日（日）　９時３０分	万代市民会館　２０７研修室
２月例会	２月２３日（日）　９時３０分	万代市民会館　２０７研修室
３月例会	３月２２日(日) 　９時３０分	万代市民会館　２０７研修室

　※４・１２月は第３日曜日